米国に留学を考えている方へ(米国政府によるオンライン授業を受講する留学生への 対応に関する発表等)

文部科学省より、7月6日、米国政府により、米国内の大学等において全ての授業をオンラインで受講する外国人留学生に対し、本年秋の新学期から、ビザ発給について制限等の措置を行う旨が発表されました。また、7月14日には、一部の大学等からの訴訟を受け、米国政府がそれを取り下げることとした旨の報道が出ております。
以下の内容について、米国に留学を考えている方は、米国政府の今後の対応や、米国内の留学先大学等の新学期に関する情報の把握に努め、不安なことがあれば学校側とよく相談するようにしてください。
また、これから米国への留学を考えていた方は、現在、米国が感染症危険情報レベル3(渡航は止めてください。(渡航中止勧告))であることから、自身の身の安全の確保のため、レベルが引き下げられるまでの間、渡航は延期するようにしてください。
<これまでの米国内の動き>
7月6日、米移民・関税執行局(ICE)は、米国の大学等に在籍する外国人留学生(F ビザ、M ビザ)に対する措置を発表しました(※1)。これは、新型コロナウイルスの影響により学校がオンライン授業に切り替わった場合等において、留学生が規定以上のオンライン授業を受講することを許可する等の臨時措置(3/13 付通知「COVID-19 ガイダンス」※2)を秋学期から修正するものです。
米国政府の発表した内容では、
○米国外にいる外国人で、留学予定の学校(又はプログラム)が秋学期において全ての授業をオンラインで行う場合、ビザは発給せず、入国も認めない
○既に米国に滞在し、秋学期においてオンライン授業のみを実施する学校に在籍する留学生は、1)出国して米国外からオンライン授業を受講する、または、2)対面式授業やハイブリッド授業(オンラインと対面式の組合せ)を実施する学校に転校する等の対応が必要
○秋学期にハイブリッド授業を実施する学校は、学校は完全にオンラインで運営されることはないこと、当該留学生は秋学期の全ての授業をオンラインで受講するわけではないこと等を証明するために、各留学生に新規の I-20(在学証明書)を発行しなければならない
○なお、ハイブリッド授業を実施する学校に通う F-1 ビザの学生は、必要最小限の範囲において、通常の対面式での授業を行う学校に通う F-1 ビザの留学生が受講できる上限(最大1クラスまたは3単位時間)以上の授業をオンラインで受講できる
※但し、F-1 ビザで語学学校又は M-1 ビザで職業学校に通う学生は、一切のオンライン授業の受講ができない
○秋学期を全てオンライン授業で実施する学校は7月15日までに、秋学期をハイブリッド授業又は全て対面授業を実施する学校は(その実施形態を明記の上)8月1日までに、SEVP(Student and Exchange Visitor Program)に運営変更計画を提出しなければならないとされています。
一方、米国政府の発表を受け、8日、ハーバード大学及びマサチューセッツ工科大学(MIT)が秋学期からの査証制限等の措置を取り下げるよう提訴し(※4)、このような動きの中で、米国政府が今般の発表を取り下げることとなったとハーバード大学がHP上で発表しています(※5)。
未だ、米国政府による正式な発表は確認できておりませんが、新たな対応方針が示される可能性も含め、今後の米国内の動向にご留意ください。
<関連ホームページ>
※1米移民・関税執行局(ICE)による7月6日付通知:https://www.ice.gov/doclib/sevis/pdf/bcm2007-01.pdf
※2米移民・関税執行局(ICE)による3月13日付通知:https://www.ice.gov/sites/default/files/documents/Document/2020/Coronavirus%20Guidance_3.13.20.pdf
※3 7月6日付通知に関するFAQ(随時更新):https://www.ice.gov/doclib/sevis/pdf/sevisFall2020_FAQ.pdf
※4 ハーバード大学及びマサチューセッツ工科大学による訴訟関連文書:https://www.harvard.edu/sevp/supporting-documents
※5 ハーバード大学学長メッセージ:https://www.harvard.edu/president/news/2020/ice-rescinds-international-orderresponse-to-harvard-mit-suit